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【緊急コラム】現場にモノが届かない!?「ナフサ不足」が設備工事業界に牙をむく理由と、今すぐ経営者が取るべき3つの防衛策

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2026.08.07

設備工事業界の経営者・親方の皆様、日々の現場対応、本当にお疲れ様です。
今、設備業界や住宅・建築業界の現場で、ある深刻な異変が起きているのをご存知でしょうか。

「4月に発注した塩ビ管が、2ヶ月経ってもまだ届かない」
「メーカーから樹脂建材や浴室乾燥機などの値上げ・出荷制限の通知が次々と届く」
「資材が入らないせいで完工できず、元請けや施主に請求書が送れない」

 

こうした悲鳴が、全国の工事現場から同時多発的に上がっています。価格高騰だけにとどまらず、物理的にモノが手に入らない「建材の目詰まり」を引き起こしている元凶、それが中東情勢の緊迫化に端を発した「ナフサ(粗製ガソリン)不足(ナフサショック)」です。 

今回は遠い国の中東情勢がなぜ私たちの現場を直撃しているのか、そしてこの危機を乗り切るために自社が今すぐ取るべき防衛策について詳しく解説します。

 

1. なぜ「ナフサ不足」が設備工事を直撃するのか?
そもそも「ナフサ」とは、原油を精製する過程で生まれる成分で、プラスチックや合成ゴム、合成樹脂といったあらゆる石油化学製品の『基礎原料(出汁のようなもの)』です。
日本はナフサの調達および原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡周辺のルートを中東に大きく依存しています。そのため、同海峡の通航リスクが高まったことでナフサの供給網が極めて不安定になりました。一時はナフサの市況価格が1トンあたり600ドル台から1,100ドル前後へ急騰するなど、歴史的な大打撃(ナフサショック)となっています。

 

これがめぐりめぐって、私たちが毎日現場で使う以下の設備・資材の「価格急騰」と「深刻な納期遅延」を招いているのです。

・塩ビ管・樹脂継手(VP管・VU管など):塩ビ樹脂の価格高騰を背景に、主要メーカー(クボタケミックス、積水化学工業など)が相次いで大幅な値上げを表明。卸価格は過去最高値を更新しています。
・水回り設備・住宅設備:浴槽(FRP樹脂)やキッチンのカウンター、トイレの便座、エアコンの部材など、樹脂パーツを多く使用する住設機器メーカーが相次いで価格改定や受注調整に踏み切っています。 
・塗料・シンナー・接着剤:外壁塗装に使う塗料やシンナーが最大75%値上がりするなど、仕上げ工事のコストも爆発的に上昇しています。

 

2. 設備業の経営を脅かす「3つの実務リスク」
ナフサ不足による資材の滞りは、単に「材料費が上がる」という問題だけでは済みません。設備会社の資金繰りや組織の維持に関わる以下の3つのリスクが顕在化しています。 
① 工期の長期化と「請求(入金)の遅延」
材料や住設機器が1つ届かないだけで、工事はストップします。引渡し時期が後ろ倒しになれば「現場は終わっているのに完工引き渡しができず、顧客に工事代金を請求できない」というキャッシュフローの悪化(黒字倒産のリスク)を招きます。
② 見積書の有効期限切れ(赤字施工の罠)
元請けや施主に見積書を提出した後、メーカーから「来月から資材を20%値上げします」と急な通知が来ることが日常茶飯事となっています。以前のどんぶり勘定の見積価格のまま契約・施工してしまうと、値上がりした材料費をすべて自社が持ち出すことになり、利益が吹き飛びます。 
③ 職人の「手待ち時間」による人件費のロス
「現場に入ったものの、特定の樹脂部材が足りなくて今日の作業が進まない」というロスタイムが発生します。職人を現場に遊ばせておくわけにはいかず、手待ち時間の間も人件費(固定費)だけは流れていくため、施工原価が大幅に膨らんでしまいます。 

 

3. この危機を生き抜くために。今すぐ実践すべき「3つの防衛策」
調達ルートの切り替えや輸送コストの高騰を考えると、中東情勢が落ち着いたとしても建材価格が以前の水準にすぐ戻る可能性は低い(高止まりする)と予測されています。設備会社はこの状況を前提とした「新しい実務スタイル」へ今すぐ変革する必要があります。
対策1:見積書の有効期限を「超短期(2週間〜1ヶ月)」に設定する
これまでのように「見積有効期限:3ヶ月」などと記載するのは厳禁です。「資材価格高騰のため、有効期限は2週間。それ以降は再見積りとなります」と言い切る強い姿勢を持ちましょう。また、契約書には「急激な資材高騰の際は、請負金額の変更を協議できる」という物価変動条項(スライド条項)を盛り込むことが自社の財布を守る盾になります。
対策2:現場が決まった瞬間に、資材・設備を「先行手配」する
「着工の直前に発注すればいい」という従来の常識は捨ててください。元請けや施主と合意が取れた段階で、塩ビ管や住設機器などのナフサ由来製品はすぐにメーカーへ正式発注・確保へと動きましょう。最低でも工期には2ヶ月以上のバッファ(ゆとり)を持たせたスケジュールを組むことが鉄則です。
対策3:代替仕様(木材・金属・水性への切り替え)を検討・提案する
塩ビや樹脂がどうしても手に入らない場合、あるいは価格が折り合わない場合に備え、あらかじめ「代替案」を用意しておきます。例えば、一部の配管・ダクトを金属製へ切り替える、塗料を油性から石油由来溶剤の少ない「水性塗料」へ変更するなど、元請けや設計事務所に対して「モノが入らない時のセカンドプラン」を自社から先回りして提案できる体制を整えておくことが信頼を勝ち取る武器になります。

 

まとめ:仕組みによる効率化で、目に見えない「時間と利益」を生み出そう
世界規模のナフサ不足という大きな荒波は、個人の力や一企業の努力だけで止めることはできません。
だからこそ、これからの設備業経営に求められるのは「外部環境の変化に振り回されない、圧倒的に効率化された社内体制をつくること」です。
資材高騰や工期遅延に悩まされる今、図面作成や材料の拾い出しといった「売上を生まない事務作業」の手間を極限まで減らし、正確な原価管理と超高速な見積提出を実現することが競合を出し抜いて確実に利益を残す唯一の道です。

私たち株式会社スタッグが開発・販売する給排水申請専用CAD「申請くん」は、図面を描くだけで必要な材料(管種・個数)を一瞬で自動集計し、正確な積算をアシストする機能を備えています。
激動の時代を乗り切るための「自社の強靭化」に向けて、まずは社内の実務プロセスを見直すことから始めてみませんか?

 

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この記事を書いた人

猪野

私は30年以上にわたり、土木分野および上下水道のシステム販売に携わってきました。販売だけでなく、上下水道の設計業務や施工管理なども行ってきました。
長年の経験を通じて、顧客の技術的な課題や運用上の悩みを正確に把握し、適切なソリューションを提案いたします。
株式会社スタッグ 取締役営業部長

保有資格
2級建築士 2級土木・管工事施工管理技士 給水装置工事主任技術者 下水道排水設備工事責任技術者 浄化槽設備士 消防設備士 第二種電気工事士 宅地建物取引士 日商簿記2級 

私は30年以上にわたり、土木分野および上下水道のシステム販売に携わってきました。販売だけでなく、上下水道の設計業務や施工管理なども行ってきました。
長年の経験を通じて、顧客の技術的な課題や運用上の悩みを正確に把握し、適切なソリューションを提案いたします。
株式会社スタッグ 取締役営業部長

保有資格
2級建築士 2級土木・管工事施工管理技士 給水装置工事主任技術者 下水道排水設備工事責任技術者 浄化槽設備士 消防設備士 第二種電気工事士 宅地建物取引士 日商簿記2級